教授挨拶

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教授挨拶(2018年)

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横手 幸太郎 教授

~理想の内科学を求めて~

私たちの教室では、代謝・内分泌や血液病学の専門家、そして老年医学の専門家が、相互に交流しながら学び、最新の医療を患者さんへご提供しています。

「“細胞治療内科学”って何?」と思われる方も少なくないことでしょう。血液内科では造血幹細胞移植を精力的に行なっていますし、糖尿病・代謝・内分泌内科では、遺伝子を導入した前脂肪細胞の自家移植治療を開発していることが“細胞治療”の理由の一つです。

また、糖尿病の病態を正確に把握し、画期的な検査や治療法を開発するためには、肝臓や消化管、中枢神経などの理解が不可欠です。そして、合併症を生じる心臓や腎臓の研究も必要となります。つまり、“臓器別”の考え方が極端に進みすぎると、領域横断的な新しい研究や発想が誕生しにくくなってしまうことが懸念されるのです。このため、敢えて、単一臓器や疾患系に限定されない名称を用いている、という意もあります。

診療面では「specialistである前にgeneralistであれ」をモットーに人材育成を行っています。今日、最高水準の医療を提供するためには、内分泌、血液、循環器、神経などのspecialismが不可欠です。しかし、それだけで日本の患者さんを幸福にできるでしょうか? 目の前の患者さんをえり好みせずに初期診療を行い、自身の専門領域については高度な医療を実践し、専門外の病気については最適な専門家へと紹介することのできる“総合的な”内科専門医を育む環境を、豊富な連携病院と協力しながら提供し続けたいと考えています。

教室の前身は“第二内科”と言い、過去100年以上にわたり多くの人材を国内外の医学界へ輩出してきました。最も近いところでは、2016年に田中知明先生が千葉大学大学院医学研究院分子病態解析学の教授、2017年には中世古知昭先生と竹本稔先生が、国際医療福祉大学医学部(成田)の血液内科と糖尿病・代謝・内分泌内科の主任教授にそれぞれご栄転されました。嬉しく誇らしいことであり、今後も数多くの後輩達が日本各地でリーダーシップを発揮してくれることを願う次第です。

以上のように、我々が目指す研究と診療、教育を実践していくためには、多種多彩な能力や個性をもった人々の集まる組織であることが大切です。そして、さまざまな学会の専門医取得を目指す人はもちろん、研究で世界を驚かす発見をしてみたい人、子育てをしながら可能な時間に診療を行う女医さんなど、多様な価値観を許容できる集団でありたいと考えます。そのような環境の中でこそ、真に患者さんの役に立つ医療や研究を実現できると思うのです。

活躍の場は世界中に拡がっています。自身の研究や診療をより深めるため、常に仲間の誰かが、短期または長期の海外研修や留学に出かけています。また、国内外から多くの医師・医学研究者の訪問があり、その度に魅力的なセミナーやディスカッションが行われます。これからも、私たちと共に学び、最先端の研究や診療を通じて未来を切り拓いてくれる若い力が集い、未来へ向けての活力をもたらしてくれることを期待しています。

2018年1月
横手幸太郎