教室紹介

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教授挨拶

桑原 聡 教授

千葉大学神経内科の目指すものは、国際的に最高レベルの診療、先端の臨床・神経科学研究、そして優秀な神経内科専門医を育成することです。これらの目標を有機的に関連させながら進めることを目標にスタッフ一同努力を続けています。すなわち日々の診療で実際に患者さんに接して臨床的問題点を抽出し、より良い治療・新しい治療がないかを考えることから研究テーマが生まれます。21世紀は“脳の世紀”と呼ばれ、画像診断、分子・細胞生物学、神経生理学などの急速な進歩により、これまで難治性といわれてきた多くの神経疾患について詳細な病態が明らかになってきました。それらの成果を元に新規治療法を開発して、臨床を進化させて社会に貢献することが我々の使命であると考えています。我々は各疾患に対して神経画像、電気生理学、免疫学、分子・細胞生物学、プロテオミクスなどの集学的手法を用いて、病態に即した新規治療法を開発するという観点を強く意識した診療・研究を行っています。希少疾患に対する医師主導治験も大きなテーマであり、「POEMS症候群に対するサリドマイド療法」、「重症ギラン・バレー症候群に対する抗補体C5モノクローナル抗体療法」の治験を完遂しています。

1978年の教室開設以来、当科の歴史は40年になろうとしています。現在、臨床神経学における各分野の専門スタッフがそろっており、親身で適切な指導ができる体制が整ってきました。病歴と症候をしっかりとることで臨床診断までの思考過程をマスターすることは初代平山恵造教授時代からの伝統です。そのオリエンテーションを踏まえた上で、適切な補助検査により診断と病態を明らかにして、もっとも有効な治療を実践することを心がけています。また、神経内科専門医育成のためのプログラムの一環として3~6ヶ月間病棟業務をフリーにする期間をもうけて、神経画像、電気生理、生検病理、ボツリヌス治療を集中して研修する、効率的な専門医育成プログラムを実践しています。

千葉大学神経内科のモットーは「明るく楽しく実りある神経内科」です。和気あいあいとした雰囲気の中で、診療を通して新たな研究テーマを見出し、研究成果が診療に還元され、活気有る環境の中で若手神経内科医師を育て、成長した若手医師がより優れた診療と研究を引き継いでいくというポジティブな循環が生まれることを目指しています。これらの一端を知っていただく目的で千葉大学神経内科のホームページを見ていただければ幸いです。