腫瘍内科のご紹介

ページタイトル画像

基礎・臨床研究

基礎から臨床まで、幅広い領域で研究活動を実施。

⒈基礎研究

悪性腫瘍の耐性化や不均一性を生み出すメカニズムを、RNAバイオロジーから解明することを目指しています。
研究紹介(栗本)https://www.rkurimoto.com/

 

【Research TOPIC 1. RNA結合タンパク質によるがん制御機構の解明】

がんの浸潤・転移は、上皮間葉転換(Epithelial-Mesenchymal transition : EMT)と呼ばれる細胞形質の変化を伴い、その制御機構の解明は創薬の重要課題となっています。また、がん幹細胞はがんの不均一性を形づくり、薬剤耐性化に寄与する重要な概念です。 近年、RNA結合タンパク質やmRNAに加えられる化学修飾(エピトランスクリプトーム)が、遺伝子発現や翻訳効率に影響し、がんの進展に関与することが報告されています。しかし、EMTやがん幹細胞とRNA結合タンパク質、RNA修飾の直接的な関連は未だ十分に明らかでなく、その実体解明が求められています。特に、mRNA修飾を担う修飾酵素を網羅的に探索し、その中でもがんの浸潤転移に関与する分子に興味を持って、分子生物学、生化学、臨床的な視点から研究を進めています。また、このRNA修飾の細胞内動態や変化のタイミングを高解像度で可視化する新技術や、新たながん細胞の分類を行うAI予測ツールの確立を目指しています。

発表文献: 1. Uchida Y, Kurimoto R, Chiba T, et al. RNA binding protein ZCCHC24 promotes tumorigenicity in triple-negative breast cancer. EMBO Rep. 2024 Dec;25(12):5352-5382. 2. Yamamoto H, Uchida Y, Kurimoto R (equally first), et al. RNA-binding protein LIN28A upregulates transcription factor HIF1α by posttranscriptional regulation via direct binding to UGAU motifs. J Biol Chem. 2023 Jan;299(1):102791. 3. Kurimoto R, Chiba T, Ito Y, et al. The tRNA pseudouridine synthase TruB1 regulates the maturation of let-7 miRNA. EMBO J. 2020 Oct 15;39(20):e104708. プレスリリース / Facebook / EurekAlert! https://www.tmd.ac.jp/archive-tmdu/kouhou/20200914-1.pdf https://www.facebook.com/photo.php?fbid=3338007076249116&id=552048691511649&set=a.552096791506839 https://www.eurekalert.org/news-releases/717517

リサイズ研究概要図.png

<研究の概要図>

 

 【Research TOPIC 2. がん上皮間葉転換の克服とがん医療への応用】

悪性腫瘍に対する治療成績は、分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬、CAR-T療法などの登場で飛躍的に向上しましたが、いずれの治療でも薬剤耐性が生じ、現在もなお治癒は困難です。この耐性機構の一因として、がん幹細胞や上皮間葉転換(Epithelial-Mesenchymal transition : EMT)などのがん不均一性が挙げられます。私たちは、胸部悪性腫瘍のEMT克服が薬剤感受性を回復させること、免疫応答への変容を起こす可能性などを報告してきました。本研究プロジェクトでは、EMTを克服する更なる薬物の探索のため、先述のRNAバイオロジーや化合物スクリーニングなどを行なっています。不均一に増殖する固形がん細胞の完全制圧(total cell kill)を目指した研究開発を目指します。 発表文献: 1. Uchida Y, Matsushima T, Kurimoto R (equally first), et al. Identification of chemical compounds regulating PD-L1 by introducing HiBiT-tagged cells. FEBS Lett. 2021 Mar;595(5):563-576. 2. Kurimoto R, Ebata T, Iwasawa S, et al. Pirfenidone may revert the epithelial-to-mesenchymal transition in human lung adenocarcinoma. Oncol Lett. 2017 Jul;14(1):944-950. 3. Kurimoto R, Iwasawa S, Ebata T, et al. Drug resistance originating from a TGF-β/FGF-2-driven epithelial-to-mesenchymal transition and its reversion in human lung adenocarcinoma cell lines harboring an EGFR mutation. Int J Oncol. 2016 May;48(5):1825-36. 

 

 【Research TOPIC 3. ストレス下、極限環境におけるRNA修飾の保存性と機能解析】

RNA修飾は、翻訳効率・局在・安定性を調節する「第4の遺伝情報層」として注目されています。本プロジェクトでは、がんに留まらず、さまざまなストレス(炎症、熱など)への応答や極限環境(微小重力、低温、高放射線など)におけるRNA修飾の保存性と可塑性を解析します。RNA修飾の生命適応機構や医学を超えた分野横断的な研究を目指しています。

 

⒉臨床研究

呼吸器内科、呼吸器外科、歯科口腔外科、耳鼻咽喉科との共同で各種悪性腫瘍の診断および治療に関する研究を行っています。 TORG (Thoracic Oncology Research Group)、NEJ (North East Japan Study Group)、WJOG (Western Japan Oncology Group)といった多施設共同研究の他、臨床治験にも積極的に参加しています。