臨床研究提示書

患者の皆様へ

 

2023年3月17日

感染生体防御学教室

 

 現在、感染生体防御学教室では、「トキソプラズマ症における診断法の開発およびトキソプラズマの分子系統解析」に関する研究を行っています。今後の治療に役立てることを目的に、この研究ではトキソプラズマ症の患者様の診療情報などを利用させて頂きます。診療情報などがこの研究で何のために、どのように使われているのかについて詳しく知りたい方は、下記の窓口にご連絡ください。

 

1.研究課題名 

「トキソプラズマ症における診断法の開発およびトキソプラズマの分子系統解析」

 

2.研究の意義・目的 

 本研究は、トキソプラズマ症をより詳しく診断する方法や治療効果を判定する方法を開発したりトキソプラズマの遺伝子型を解析することにより、トキソプラズマ症の診断技術を確立し、日本におけるヒトに感染するトキソプラズマの遺伝子型を明らかにすることを目的とします。最終的にはこれらの技術および遺伝子型の情報が臨床現場で治療方法を選択する指針の一つとなり、治療効果判定の指標となることを目指しています。

 

3.研究の方法  

 研究対象者は既に本研究への参加に同意してくださった患者様及び今後トキソプラズマ症疑いでトキソプラズマ症のDNA診断を希望される患者様です。これまで千葉大学のみで研究を実施していましたが、信州大学とも連携し引き続き研究を継続します。トキソプラズマ症の確定診断のために千葉大に送られてきた検体の残りや、この研究のために既に冷凍保存されている検体を用いてトキソプラズマ症の診断法の開発及びトキソプラズマの定量化技術の開発、さらには、得られたトキソプラズマDNAやトキソプラズマミトコンドリアDNAを用いてトキソプラズマの遺伝子型の解析を行います。

 研究の第一段階として、全国の医療機関から送られてきたトキソプラズマ症疑い患者様の検体からDNAを抽出しトキソプラズマ特異的プライマーを用いてPCRを行いDNA診断します。この結果は依頼医療機関の医師や患者さんに報告され治療法を決定するのに役立ちます。第二段階として、これらの患者様の検体の残りの検体やこの研究をする施設に冷凍保管されている検体を用いてトキソプラズマの診断法および定量化技術の開発、トキソプラズマの遺伝子型の解析を行います。これらの研究により、より髙感度に確定診断ができ、また定量化することで治療効果の判定が可能となります。さらにそれぞれの患者様が感染しているトキソプラズマの遺伝子型がわかることにより、予後判定や毒性・伝播性・薬剤抵抗性等の治療指針に直結する情報が得られます。これらの情報に基づき患者様それぞれに適した医療をすることができます。主治医より提供された診療録に記載されている病歴、血液等の検査値、画像所見、治療内容等はトキソプラズマの遺伝子型の特性を知るのに利用されます。

 

4.個人情報の取り扱いについて

 本研究で得られた個人情報は、氏名を削除し、特定の個人を容易に識別できないように加工をして研究用のIDを付与して取扱います。また、研究用IDと氏名を一致させるための対応表は外部には持ち出しせず、機関内で厳重に管理します。研究成果の発表にあたっては、患者さんの氏名などは一切公表しないこととします。データ等は、千葉大学大学院医学研究院感染生体防御学教室あるいは信州大学医学部寄生虫感染症学の鍵のかかる保管庫で保管します。

 

5. 外部への試料・情報の提供

 匿名化されたデータは研究代表機関の信州大学医学部寄生虫感染症学教室へ郵送あるいは電子的配信で送られ、解析されます。対応表は、当教室あるいは信州大学医学部寄生虫感染症学教室の研究責任者が保管・管理します。

 

6. 研究組織

千葉大学大学院医学研究院感染生体防御学 彦坂 健児

信州大学医学部寄生虫感染症学 野呂瀬 一美

 

7.研究に診療情報などを利用して欲しくない場合について

ご協力頂けない場合には、原則として結果の公開前であれば情報の削除などの対応をしますので、下記の窓口にご遠慮なくお申し出ください。

 

研究実施機関  :千葉大学大学院医学研究院感染生体防御学教室

本件のお問合せ先:感染生体防御学

         准教授 彦坂 健児

         043 (222) 7171  内線 5212 (感染生体防御学受付)

研究代表機関  :信州大学医学部寄生虫感染症学

研究代表者   :委嘱講師・医師 野呂瀬 一美

         0263 ( 37 ) 2625

 

文部科学省・厚生労働省による「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に基づいて掲示を行っています。

PageTop