

免疫は、細胞単体ではなく「組織環境」によって規定される。私たちはこの視点から、免疫学の新しい地平を切り拓いています。
倉島研究室[国際アレルギー粘膜免疫学分野/イノベーション医学分野]では、免疫最前線である「粘膜」に着目し、免疫、間葉系、上皮、神経、腸内細菌が織りなす複雑な組織環境の理解を通じて、アレルギー・炎症性疾患に対する新たな予防・診断・治療法の創出を目指しています。
従来の免疫学が「免疫細胞」を中心に発展してきたのに対し、私たちは組織を構成する細胞群とその相互作用に注目します。とりわけ、これまで支持組織と考えられてきた間葉系細胞(Structural cell)が、免疫応答の方向性を決定づける重要な制御因子であることを明らかにしてきました。
さらに、腸管をはじめとする臓器間の連携、神経系とのクロストーク、腸内細菌との相互作用といった多階層のネットワークが、免疫の恒常性と疾患発症を規定していることに迫っています。
Structural Cells Affect / Ameliorate Immunity, Infection and Inflammation
間葉系細胞が免疫に与える「組織特異性」に着目し、
①免疫の末梢教育
②上皮分化と粘膜バリア維持
③線維化・がん化に至る機能変容
といった多面的な役割を解明し、炎症・線維化疾患の制御を目指します。
腸は単独で機能する臓器ではなく、全身の臓器と連携するネットワークの一部です。
本プロジェクトでは、臓器連関(organ crosstalk)に基づき、腸内細菌・神経系・膵臓などの臓器ネットワークが腸内環境を制御する
仕組みを解明します。
炎症性腸疾患において、悪玉腸内細菌の組織侵入が複数臓器の連携によって制御される現象を見出しており、
現在は「臓器ネットワークによる疾患制御」という新たな概念の確立と、その応用を進めています。
アレルギーは「止められない反応」ではありません。
本プロジェクトでは、免疫細胞の可塑性に着目し、
アレルギーを引き起こす状態(ON)から、アレルギー・炎症を抑える状態(OFF)へと導く免疫スイッチの実体を解明します。
マスト細胞をはじめとする免疫細胞の機能転換機構を明らかにすることで、
アレルギー疾患の根本的制御を可能にする新規治療戦略の創出を目指しています。
これらの研究は、千葉大学未来粘膜ワクチン研究開発シナジー拠点と連携し、基礎研究から社会実装までを見据えて推進されています。
粘膜ワクチン、抗体医薬、微生物制御など、次世代の医療技術へと展開しています。
私たちは、分野の枠を越えた挑戦と、自由闊達な議論を重視しています。
研究生、学部生、大学院生、研究員、そして共同研究パートナーを広く募集しています。
「新しい研究にチャレンジをしたい」
「疾患の本質に迫りたい」
「研究を社会実装につなげたい」
その想いを持つ方と、ぜひ一緒に研究を進めたいと考えています。
見学・共同研究のご相談を、心よりお待ちしております。