クリニカルアナトミーラボ(CAL)は、
献体されたご遺体を用いて、学生の解剖学教育を行ったり、臨床現場で活躍する医師・歯科医師が教育を受けたり、研究を行う施設です。
患者さんを治療する「医療」を行う前に、まったく同じ構造を持つご遺体を使わせて頂くことは理にかなっています。事実、ご遺体を臨床の教育・研究に用いることは世界的に活発化しています。千葉大学はその点に早い段階で着目し、2010年にクリニカルアナトミーラボ(CAL)を立ち上げました。
献体して頂いたご遺体の持つ可能性を最大限に発揮できるようにするために、解剖学教室(環境生命医学)、外科系講座、医学教育学の力を結集して運営しています。
CALで開催される様々なプログラムを通じて、千葉大学に限らず、全国の臨床現場で働く医師・歯科医師が参加することができます。また、学会や研究会、医療機器開発企業なども千葉大学の臨床講座と共催することで医療の発展に貢献することができます。また、千葉大学医学部の解剖学教育はもちろんのこと、同じく医療に関わる人材を育成するコメディカル養成学校(看護師、リハビリテーション専門職、鍼灸師 等)への解剖見学実習や、コメディカル養成学校で解剖学を教育する教員の研修も行っています。
多くのプログラムを効果的に行う為に、CAL手術室、CAL実験室、解剖実習室、カンファレンスルームなどを備え、ご遺体もプログラムに適した3つの保存法で保管しています。
これまでの医学部では、優れた医学生を育て医師にするところまでが使命でした。しかし医師になってからの成長をサポートする組織は学会を除いてほとんどありません。医師は日進月歩の医療を常に身につけ続けなければなりません。生涯にわたる自己研鑽をサポートする「医師のための学校」を作りたい。それが私たちの願いでした。
より良い医療の実現の担い手である医師の育成、臨床現場で生まれる次世代の手術法・医療機器のアイディアの実現を、献体者のサポートによって行う施設がCALです。死してなお自らの体をもって次世代の医療に貢献したいという御遺志に敬意を表し、千葉大学は患者さんの幸せに繋がる教育・研究を全力で推進して参ります。