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About CALについて

CALを支える5つの部門

献体管理部門

CALでは献体されたご遺体をプログラムの目的に適した方法で保存しています。保存方法は、薬液で腐敗を止めた固定法(ホルマリン固定やThiel法固定)や凍結保存です。ご遺体は大学へ搬入後、速やかに技術職員の手によって保存されます。できるだけよい状態で保存するために、多くのご遺体を死後48時間以内に搬送して頂いております。また、搬送されたご遺体は1体ごとに番号を付され、常時身体の2箇所にその番号を書いた木札が取り付けられています。さらに保管される場所は1体ずつの独立した保管スペースとなり、識別に混乱が生じないように厳格に管理しています。

卒前教育部門

CALでは、環境生命医学教室が中心となって、医学部の「肉眼解剖学」と千葉県、東京都のコメディカル養成校(看護師・リハビリ専門職・鍼灸師等)の解剖教育委託実習(見学)を行っています。また、医学部学生に留まらず、適切に献体を献体利用を推進できる人材を育成するために大学院博士課程「外科系臨床医学研究の新展開」も開講しています。「肉眼解剖学」では、「研修医になった時に病態と治療の理解に繋がる」事を前提として、教育内容を医師目線で一から再構築しています。アクティブ・ラーニングと言われる、反転授業、同時双方向授業、TBLなど、最新の教育理論の導入と相まって、解剖学を暗記科目から脱却させることに成功しています。献体されたご遺体から得られた知識は医学部生の血となり肉となり、数年後の病院実習の際の学生の解剖知識の豊富さとなって現れ、医療現場の教員から驚きの声が届いています。

卒後教育部門

臨床の知識が増えるにつれて新しい視点で解剖学を学び直す必要があります。研修医には研修医の、専門医には専門医の、エキスパートにはエキスパートのレベルに応じた解剖学があるのです。それ故、外科医にとって解剖学は、生涯教育として捉える必要があります。CALでは各外科系臨床講座が主催となって各種教育プログラム(Cadaver Surgical Training:CST)を開催しています。医師が最も解剖の知識を駆使する必要がある手術というカテゴリーの中で学ぶため、手術室と同等の設備を揃えています。翌日の診療・手術に活かせる知識・技術を身につける事ができます。

人材育成部門

解剖学は医学部以外にも多くの医療系学部、医療専門職養成校で教えられています。しかし、教える立場の教員であっても、医学部以外の教員は人体解剖を見て学べる機会がほとんどありません。環境生命医学教室では、より臨床に即した解剖学を指導したい熱意ある教員*に対して、千葉大学医学部の授業や実習への参加を通じて、解剖教育メソッドのノウハウを伝えたりしています。どこの学校でも解剖学教育をより良いものにしていって欲しいと考えています。

また、履修証明プログラムとして「臨床医学の献体利用を推進する専門人材養成プログラム」を北海道大学と共同で開講し、医療機器開発企業**や他大学の解剖学スタッフなどにもご遺体を使用した適切な教育・研究プログラムの作り方を学ぶ機会を用意しています。

*事前に書類審査・面接等行ってから参加の可否について決定します。ご遺体から学ぶという気持ちをしっかり示せる教員でないと、医学部の学生にも悪影響です。しっかり準備をされる前提で一定の授業・実習への参加を認めています。ただ解剖を見てみたい程度の気持ちでは参加はできません。

**真に業務として献体を利用する必要がある企業・研究者等のみが参加可能です。

研究開発部門

CALでは、臨床現場で生まれる新しいアイディアによる手術法や、最新のテクノロジーを用いた医療機器開発、あるいは解剖学的な疑問を、ご遺体を用いて解決します。関連する領域の臨床講座から、毎年様々な視点から生まれる研究がたくさん申請されてきています。CALで得られた新しい知見は、学会や論文で発表され、再び臨床現場から患者さんの元へ届けられていきます。

※外部企業の参加については、窓口となる外科系教室と共同で参加して頂く事になります。また、臨床医学の教育及び研究における死体解剖のガイドラインに明示されているように、研究資金の流れを明確化するために大学と共同研究・受託研究等を結んで頂く事になります。