死体を取り扱うにあたり、CALは安全を確保するために特殊な部屋の構造をしています。 ホルマリン固定によるご遺体の解剖を主とする解剖実習室は、固定液に含まれる有害物質であるホルムアルデヒドを吸入しないようにすることが重要です。天井から比重の重い酸素クラスターが放出され、ホルムアルデヒドを吸着しながら降下していきます。実習台上でご遺体を取り囲むように配置された排気口と床近くに設置された排気ダクトを使って、有害なホルムアルデヒドは室外へ排気されます。また廊下へホルムアルデヒドが流出しないようにするために解剖実習室全体を廊下より低い気圧になるように管理しています。似たような仕組みは手術室や実験室にも施されており、手術ベッドの上から酸素クラスターを放出し、床付近から排気します。これによりご遺体から万が一感染力のある細菌・ウイルスが排出されたとしても参加者の口や鼻から吸入するリスクを減らしています。また、遺体保管室から手術室・実験室まで室内の内扉で連続している配置になっており、感染リスクのあるご遺体を廊下に出すことなく陰圧空間内で管理することができます。