拠点紹介

拠点の概要

アレルギー疾患は国民の3人に1人が罹患しているにもかかわらず、対症療法がほとんどで未だに根治療法が開発されていません。癌は国民の3人に1人の死亡原因であり、患者の高齢化に伴い良好なQOLの得られる低侵襲治療法の開発が求められています。アレルギー疾患や癌は、生体内で巧妙に調節されている免疫システムのアンバランスや破綻によって発症する、という共通の病因論的特徴があり、これらの疾患の発症機序に関してこれまでに免疫学は分子・遺伝子レベルでの膨大な研究成果をあげてきました。その結果、「免疫システム統御」という視点に立脚した疾患治療法を開発できる段階に至っています。そこで、世界でも例をみない免疫システム統御による治療学の卓越した国際教育研究拠点を形成し、難治免疫関連疾患(アレルギー、癌、血管炎、動脈硬化など)を対象にした治療学研究を推進します。これらの研究活動を通して、免疫システム統御と免疫治療に関する統合的な知識と方法論を修得し、1.新たな視点から独創的な研究を遂行する能力、2.アレルギー総合臨床治療研究や領域横断的な癌臨床治療研究を行いうる能力、3.国際舞台で活躍する能力を持つ、治療学研究を行う若手研究者の育成を目ざします。

基礎研究の成果の臨床応用は、千葉大学医学部附属病院内の臨床試験部と未来開拓センターを中心に行います。これまでの卓越した臨床研究の実績によって、医学部附属病院は平成19年から全国10箇所ある「治験・臨床研究の推進をはかる中核病院」に指定されています。連携して拠点を形成する理化学研究所免疫・アレルギー科学総合研究センター(理研免疫アレルギーセンター)とは、教育上(連携大学院)のみならず、アレルギーの治療シーズを実用化すべく共同でトランスレーショナルリサーチを積極的に進めます。平成19年からは「千葉大学-理化学研究所研究者交流協定」を結び、若手研究者の施設間交流を強化してきましたが、理研の場を利用して千葉大学の大学院生や若手研究者の育成を加速化させます。放射線医学総合研究所(連携大学院)は、世界No.1の重粒子線治療の実績を持つ先進的癌治療研究施設で、千葉大学と密接に連携して21世紀COEプログラムを推進してきました。本拠点では、連携して重粒子線治療と免疫細胞療法の併用という世界で初めてのアプローチを中心とした癌の低侵襲治療法の開発研究と若手人材育成を行います。

施設横断的連携体制

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