教室紹介

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画像診断センター長挨拶

千葉大学医学部附属病院画像診断センター長の藤本肇です。画像診断センターは2018年に新設された部門で、私がセンター長として赴任いたしました。

本学は古い伝統を誇る医学部です。各診療科の診療レベルは極めて高く、国内外で医療・医学をリードしてきました。これは画像診断についても例外ではありません。その反面、他大学に比べ、病院全体として画像診断を放射線診断専門医が統括していくという文化の醸成が進んでいませんでした。その結果、それぞれの診療科が専門とする領域以外の画像所見に気づくのが遅れ、重要な疾患の診療が遅延するという事例が相次いで報告されました。

患者さんの診療を直接担当する各診療科の主治医は、それぞれの対象疾患についてのスペシャリストです。一方、放射線診断専門医は画像診断のスペシャリストとして第3者的な立場から画像全体を観察して所見を捉え、その結果を主治医に伝え、診療に必要な助言・指導を行う役割を持っています。このような、いわば“二人三脚”の画像診断を推進することで、よりレベルの高い診療を行うことができることになります。

当面、画像診断センターの担う任務は次の3つです。
第1は、前述のごとく、CTやMRIを主体とした画像検査について読影報告書を作成し、主治医である各診療科の医師に重要な情報を提供することです。
第2は、本学附属病院で実施されている画像診断について、その適応や方法の管理を行い、病院全体として効率のよい検査を行っていくための指令塔となることです。これは、医療経済学的にも重要であるとともに、患者さんへの被曝低減にもつながる事項です。
第3は、次代を担う放射線診断専門医、および関連する全ての職種の人材育成のためのセンターとしての役割を果たすことです。これはすなわち、大学附属病院として教育および研究に寄与することです。

画像診断の対象とモダリティは多岐にわたっており、その全てを一人の医師がカバーできるわけではありません。しかし、皆で力を合わせれば、1+1が2ではなく5にも10にも100にもなるかもしれません。それが臨床の進歩・発展に繋がり、ひいては患者さんのためになると思います。