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核医学

核医学検査とは?

核医学検査はRI検査とも呼ばれていて、ごく微量の放射性物質(ラジオアイソトープ:RI)を含む薬を用いて病気を診断する検査です。この微量の放射性薬剤が注射などにより体内に入ると、特定の臓器(骨や腫瘍など)に集まりそこから放射線を発します。この放射線をガンマカメラと呼ばれる特別なカメラで体外から測定し、その分布を画像にします。
この検査の特徴は臓器の位置や大きさの他に『働き』が分かるというところです。X線検査やCT検査などは主に臓器の形の異常をとらえるのに対して、核医学検査は臓器の働き(機能)をとらえることができます。そのため非常に鋭敏な検査であり、他の検査では分からない病気などを見つけることもあります。苦痛が少なく副作用も非常に少ない検査で、多くの病気の診断に利用されています。

核医学検査の手順

1) 予約

核医学検査に使用される放射性医薬品にはその有効期間として当日限りのものが多いため予約検査で行われます。この時、検査に必要な前処置と検査に要する日数・時間を確認してください。

3) 検査薬投与

放射性医薬品を体内に投与(注射・飲用)します。多くの場合静脈注射ですが、中にはカプセルの服用や、ガスを吸入していただく場合があります。

4) 撮像

検査は通常専用のベッドの上で仰向けの体位で行われます。通常1回の検査は30分~40分以内に終わるように設定されています。写真を撮る間は寝ているだけで苦痛はありません。

Q:核医学検査にかかる時間はどれくらい?

A. 薬剤投与後検査開始までの期間は、検査の種類によって違いますので注意してください(5分後~7日後)。また、何回も撮影する場合があります。
1回の撮影にかかる時間は5分~1時間程度です。検査の種類によって様々で、5分で終わるものもあれば60分程かかる検査もあります。時間をずらして撮像したり、カメラを移動・回転させてたくさんの写真を撮ることがあります。

Q:核医学検査での副作用は?

A. この検査は、ごく微量の放射性同位元素を含む薬を患者さんに投与して病気を診断する検査です。そのため医療被爆や副作用を気になさる方もいると思います。しかし私たちは日常生活においても、わずかですが天然の放射線を受けています。大地に含まれる天然のアイソトープからの放射線、宇宙からやってくる放射線の宇宙線などがあります。これらをすべて総合すると1年間に約2.4ミリシーベルト(世界の平均値)の放射線を受けています。核医学検査では、1回におよそ0.2~8ミリシーベルトの放射線を受けます。この様に検査で受ける放射線はわずかですので、検査を受ける本人自身や周囲の人への影響については心配ありません。核医学検査に用いる薬の放射線の量は時間とともに減少していくので、後々まで放射線が出ることはありません。また、アレルギーなどの副作用も非常に少なくかつ重篤な副作用がほとんどないのが特徴ですのでこちらも心配ありません。

Q:代表的な検査は?

A.
脳血流検査:アルツハイマー病やパーキンソン症候群の早期診断に利用されています。
心筋血流検査:心筋梗塞の部位や重症度、心不全の重症度や治療効果判定等が可能です。
骨の検査:骨腫瘍、疲労骨折、骨粗しょう症に伴う骨折の診断に利用されています。
FDG-PET:癌の存在部位診断、治療効果、再発等の診断に広く利用されています。
そのほかにも甲状腺、肝臓、腎臓などの臓器別に多くの検査の種類があります。

核医学検査についてもっと知りたい方は核医学検査Q&A(日本核医学会)を参照下さい。