病気について

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リウマチ性多発筋痛症

はじめに

 この病気は、一般には高齢者でみられます。

 体の筋肉が痛くなったり、熱が出たりします。

 痛くなる筋肉の場所としては、左右対称で体幹に近い筋肉(腕、肩のまわり、腰のまわり、腿)に起こることが特徴です。

 朝のこわばりや関節痛を伴う人もいますし、体重減少や全身倦怠感がみられる人もいます。

 採血では、多くの患者さんで炎症反応が上昇しています。

 ただし、この病気に特徴的な症状や検査所見が少ないため、診断が困難な場合があります。

 関節リウマチと見分けがつかないケースもあります。

治療

 ほとんどの患者さんは少量のステロイド療法で改善しますが、例外もあり、中等量のステロイドを必要としたり、他の免疫抑制剤を追加したりすることもあります。

 この病気になった人の約20%の人で巨細胞性動脈炎を合併するといわれています。

 巨細胞性動脈炎とは、頭部の側面にある側頭動脈に炎症が起きて、こめかみの痛みや頭痛や発熱などが出現する病気です。

 側頭動脈の周辺の頚や眼の動脈にも炎症が起こることもあり、眼にも影響が及ぶと視力障害、視野欠損、霧視、複視などが起こることもあります。

 側頭動脈の組織検査で、動脈炎を認めます。

 巨細胞性動脈炎の合併がみられた場合は、中等量のステロイド治療が必要となります。

 眼症状の程度によっては、大量のステロイドで治療する場合もあります。