病気について

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血清反応陰性脊椎関節症

はじめに

 血清反応陰性脊椎関節症は血清リウマトイド因子陰性で、脊椎、仙腸関節などの体幹骨格、末梢関節、腱の付着部などに炎症を生じる疾患群です。

 関節外症状として眼、皮膚、心臓、消化管、泌尿器を侵すことがあります。

 この病気へのかかりやすさに、白血球の血液型の一つであるHLA-B27との関連性が指摘されています。

 血清反応陰性脊椎関節症はひとつの病気の名前ではなく、強直性脊椎炎、反応性関節炎、乾癬性関節炎、炎症性腸疾患に伴う関節炎、若年性脊椎関節症、分類不能な脊椎関節症などをまとめた総称です。

強直性脊椎炎について

 強直性脊椎炎は仙腸関節および脊椎、時に股関節、肩関節が障害される慢性炎症性疾患です。

 発症年齢は40歳未満がほとんどであり、関節外症状として約3分の1に急性前部ぶどう膜炎を併発し、まれに心疾患、肺疾患を合併することがあります。

 臨床症状では夜間など非活動期に増悪し運動で軽快する腰痛が特徴的です。

 進行例では脊椎が癒合しX線上、竹様脊椎(bamboo spine)という状態を呈し脊椎の可動性が障害されますが、長期にわたり軽症である例も少なくありません。

 診断は身体所見、関節症状や関節外症状の経過、関節のX線検査、採血検査などにより総合的に判断します。

 治療は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の内服、脊椎の可動性を保つためのストレッチや運動、理学療法を中心に行ないます。

 効果不十分例や炎症性腸疾患合併例などではサラゾスルファピリジン、ステロイドなどを使用することもあります。

 最近では生物学的製剤であるTNF阻害薬も有効であることが報告されています。

反応性関節炎について

 反応性関節炎は泌尿生殖器感染症、消化管感染症後に関節炎、腱付着部炎を呈する疾患です。

 感染症発症後2?4週間で左右非対称性の下肢関節炎にて発症するのが典型的なパターンと言われています。

 仙腸関節炎、脊椎炎による腰痛も生じます。

 また腱付着部炎として足底腱膜炎、アキレス腱炎を起こすこともあります。

 関節外症状としては結膜炎、ぶどう膜炎、皮膚粘膜症状があります。

 先行する感染症の存在や診察所見、X線検査などより臨床的に診断します。治療は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)内服が中心となります。